AI ACTIVATION LECTURE — 受講者ガイド

AI活用レクチャー 受講者ガイド(全3回)

医療・介護の現場で、事務作業をAIで軽くするための全3回の講座です。
費用はかかりません。すべて無料プランのまま行います。このページ1枚に、事前準備から全3回の内容まで、必要なものをすべてまとめてあります。

この講座について

開催日2026年 8月6日(木)/ 10月8日(木)/ 12月10日(木)
いずれも 16:15〜17:15
時間の使い方16:15〜16:45=本編(全員向け・ここだけで完結します)
16:45〜17:15=自由参加(残れる方だけ。出なくても次回で困りません)
形式会場+Zoom のハイブリッド。どちらで参加しても内容は同じです
費用0円(無料プランのまま行います)
持ち物ご自分のパソコンまたはスマートフォン
使うものClaude(クロード)=文章のやり取りができるAI。AI=人工知能。ここでは「文章で頼むと下書きを作ってくれる道具」と考えてください

この3回で目指すこと

3回を通した目標は、「教わったことをなぞれる」ではなく「自分の仕事に合わせて自分で調整できる」ようになることです。

やることできるようになること
第1回つなぐ・実装するメールとカレンダーの手作業が減る
第2回調べる・確かめる調べものを任せて、どこを確認すべきか分かる
第3回自分の雛形を配れる形にする自分の作り方を言葉にして、人に渡せる

全3回を通じた3つの約束

  • ① 患者さん・利用者さんの個人情報は入力しません。氏名・生年月日・住所・電話番号・患者ID・保険証番号。練習では架空の名前を使います。
  • ② 送信・確定のボタンは必ず自分で押します。AIが作るのは下書きまで。Claudeはメールを送信できません(これは仕様です)。
  • ③ 出てきたものは必ず自分の目で確かめます。名前・日付・数字は特に。「保存しました」と言われても、本当に入っているかは自分で見るまで分かりません。
使う回数について
無料プランは、一定時間に使える回数に上限があります。この講座では本編で使うのは3〜4回だけにしてあります。残りは、みなさんがその日のうちにご自分の仕事で使うために取ってあります。
うまくいかなくても直すのは1回まで。先に進みます。
会話の使い方(毎回のお願い):ひとつの練習が終わったら、次に進む前に「新しいチャット」を押してください。会話が長くなるほど、1回あたりに使う量が増えていきます。
※ 前の返事を引き継ぐ必要がある場面だけ、教材に「同じ会話で続けます」と書いてあります。

事前準備(第1回までに必ず終わらせてください)

当日の30分をまるごと練習に使うため、準備はすべて前もって済ませます。動画を見ながらご自分のペースで進めてください。合計21分です。

ステップ1:2週間前まで

やること動画補足
Claudeの無料アカウントを作るV1(3分)お金はかかりません。携帯電話あてのSMS認証(確認番号のメッセージ)が必要です
デスクトップアプリを入れるV2(3分)Windows / Mac 用。入れられない端末の方はブラウザのままで構いません(内容は同じです)

※ この2つだけ早めにお願いしています。アカウント作成やアプリの導入は、端末の設定によっては時間がかかることがあるためです。

ステップ2:1週間前まで

やること動画補足
3つの約束を確認するV3(4分)個人情報/送信は人/自分の目で確認
Gmail・GoogleカレンダーをつなぐV4(5分)ここが一番つまずきます。早めに試して、だめなら当日ご相談ください
メモリをオンにして、覚えさせ文を3本入れるV5(6分)下のM1〜M3を順番に貼るだけです

覚えさせ文(M1〜M3)

メモリ=会話をまたいで内容を覚えておく機能です(無料プランでも使えます)。ここで覚えさせておくと、次から毎回説明しなくても、あなたに合わせた返事が来るようになります。

貼り方:M1を貼る → 返事が来たら「新しいチャット」を押す → M2を貼る → また新しいチャット → M3を貼る。1本ずつ、別々の会話でお願いします。
M1

職種・職場を覚えてもらう

〔 〕の中をご自分に合わせて書き換えてから貼ってください。

これから私が使うときのために、次のことを覚えておいてください。

- 職種:〔理学療法士〕
- 職場:〔回復期リハビリテーション病棟〕
- よく書くもの:〔リハビリテーション実施計画書、経過記録、
  ご家族への説明文書、他事業所への依頼メール〕
- 私の職種と職場は分かっている前提でよいので、毎回説明しない

覚えたら「了解しました」とだけ返してください。
M2

個人情報の安全弁を仕込む

うっかり個人情報を貼ってしまったときに、気づけるようにしておきます。

安全のため、次のことを必ず守るルールとして覚えておいてください。

- 私が患者さん・利用者さんの氏名、生年月日、住所、電話番号、
  患者ID、保険証番号を書き込んだときは、その内容を処理せず、
  最初に「個人情報が含まれています」と指摘してください。
- 指摘するときは、どの部分が個人情報にあたるかを示してください。
- そのうえで、伏せ字(〇〇)に置き換えた文案を提案してください。

覚えたら「了解しました」とだけ返してください。
これは完全な防止策ではありません。止まらないこともあります。あくまで保険であって、原則は「貼らない」ことです。
M3

メールの型を覚えてもらう ← 第1回でそのまま効きます

〔所属〕〔氏名〕はご自分のものに書き換えてください。書き出しや結びの言い回しも、ご自分がふだん使うものに変えて構いません。

私がよく書くメールの型を覚えておいてください。
次から「返信の下書きを作って」と頼んだときは、
毎回この型に従ってください。

■ 共通
- 書き出しは「いつもお世話になっております。〔所属〕の〔氏名〕です。」
- 結びは「お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」
- 1通あたり200字以内にする
- 相手の名前は「〇〇様」のままにして、私が入れ直す
- 判断が要る箇所は【要確認】と書いて残す
- 患者さん・利用者さんの個人情報は書かない

■ 用件別
- 照会:何を知りたいか → いつまでに欲しいか の順
- 依頼:お願いしたいこと → 背景 → 期限 の順
- お礼:具体的に何が助かったかを1文入れる
- 日程調整:候補を3つ、曜日と時間帯で示す

覚えたら「了解しました」とだけ返してください。
第2回の前だけ、もう1本あります。Exa(エクサ)という論文検索の道具をつなぐ動画(V6・4分)を、10月の回の1週間前にお配りします。いまは何もしなくて大丈夫です。

全3回の予定

日付本編 16:15〜16:45(全員)自由参加 16:45〜17:15
第1回8/6(木) メールとカレンダーを実装する
未返信の棚卸し → 返信下書き3通 → カレンダーに予定を作る
準備が終わっていない方の個別対応/議事録の整形/長いやり取りを3行に要約
第2回10/8(木) 調べて・確かめる
論文を探す → 比較表を作る → 中身を照合する → 英語の抄録を日本語で整理
制度・通知の一次情報を探す/長い通知の要約/「この説に根拠はあるか」の逆引き
第3回12/10(木) 自分の雛形を、みんなが使える形にする
パワポ雛形 → 作り方のルール文 → 実際に試す → メモリ登録 → 配る
ご家族向け説明文書/相手別の言い換え/実施計画書の目標文案/2本目のルール作り
本編だけで完結します。自由参加に出られなくても、次回以降で困ることはありません。お忙しい方は16:45で退出してください。

第1回

メールとカレンダーを実装する 8/6(木)16:15〜16:45

今日この時間で使うのは 3回だけ です。
残りは、今日の午後にご自分の仕事で使うために取ってあります。

今日のゴール:Gmailに返信の下書きが3通、カレンダーに予定が1件。そしてそれらが本当に入っていることを、自分の目で確かめられた状態です。

練習1 / 送信1回目 / 8分

返しそびれているメールを、急ぐ順に並べてもらう

受信箱を上から見ていくと、埋もれた1通を見落とします。「未返信だけ」に絞って並べ替えるのは、人がやると時間のかかる作業です。

今週届いたメールのうち、私がまだ返信していないものを探して、
急ぐ順に並べてください。

- 広告・宣伝・メールマガジン・システムの自動通知は除く
- 各1行で「差出人/件名/なぜ急ぐと判断したか」を書く
- 最大10件まで
- 表は使わず箇条書きにして、600字以内にする
返ってくる例(架空)

未返信のメールが4件見つかりました。急ぐ順に並べます。

  1. 〇〇居宅介護支援事業所/サービス担当者会議の日程について/今週金曜が回答期限と本文にあります
  2. △△医院 地域連携室/診療情報提供書の様式変更のご案内/来月から運用が変わるため確認が要ります
  3. 院内 医療安全管理室/インシデント報告の書式について/期限の記載はありませんが依頼事項です
  4. □□福祉用具/貸与品の点検日程/急ぎではありませんが未返信です
ここを見てください:
  • 広告やメールマガジンが混ざっていませんか
  • すでに返信済みのものが混ざっていませんか ← 実際に間違うことがあります
練習2 / 送信2回目 / 10分 / 同じ会話で続けます

返信の下書きを3通まとめて作る

ここが今日の本題です。事前にM3(メールの型)を入れてあるので、いきなりご自分の型で出てきます。型を貼り直す必要はありません。

さきほど挙げたうちの上位3件について、返信の下書きを作ってください。

- 私が覚えさせたメールの型に従ってください
- 送信はしないでください。下書きの保存までにしてください
- 判断が要る箇所は【要確認】と書いて残してください
- 患者さん・利用者さんの氏名が本文にあれば〇〇にしてください
返ってくる例(架空・1通目のみ)

下書きを3通、Gmailに保存しました。1通目はこちらです。

件名:Re: サービス担当者会議の日程について

〇〇様

いつもお世話になっております。〔所属〕の〔氏名〕です。
サービス担当者会議の日程について、【要確認:候補日をご記入ください】でお願いできればと存じます。
当日は評価結果をまとめてお持ちいたします。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

送信はされていません。Gmailの「下書き」に入っているだけです。内容を読んで、【要確認】を埋めて、送信ボタンはご自分で押してください。
確認1 / 送信なし / 4分

Gmailを開いて、本当に入っているか見る

今日いちばん持ち帰ってほしい習慣がこれです。Claudeが「保存しました」と言っても、実際に入っているとは限りません。自分の目で確かめる——これができれば、この先どんな機能を使っても事故が起きにくくなります。

  1. Gmailを開く(アプリでもブラウザでも構いません)
  2. 左側の「下書き」をクリックする ※受信箱ではありません
  3. 3通あるか、目で数える
  4. 1通開いて、宛先・件名・本文を読む
チェックしてください
見るところ合っていなかったら
下書きが3通ある数が違う方は手を挙げてください
宛先が正しい相手になっているご自分で直す
【要確認】が残っている箇所があるそこはご自分で埋める
送信されていない(送信済みフォルダに無い)
数が合わなかった方、いますか。これは失敗ではありません。実際に起こることです。だからこそ毎回この確認をします。
練習3 / 送信3回目 / 3分 / 新しいチャットで

話し言葉のまま伝えて、カレンダーに予定を作ってもらう

カレンダーは読むだけでなく、予定を作る・直す・消すところまでできます。案内メールを見ながら手で転記する作業が、まるごと不要になります。

先に「新しいチャット」を押してください。
次の予定をカレンダーに登録してください。

〔来週水曜の14時から1時間、3階カンファレンス室で退院前カンファレンス。
参加は私と担当の看護師。前日までに評価サマリーを準備する〕

- タイトルは「退院前カンファ/〇〇様」の形にする
- 場所と、準備が必要なものを説明欄に書く
- 登録が終わったら、登録内容を3行で見せてください
返ってくる例(架空)

カレンダーに登録しました。
・日時:8月12日(水)14:00〜15:00
・場所:3階カンファレンス室/タイトル:退院前カンファ/〇〇様
・説明欄:担当看護師と同席。前日(8/11)までに評価サマリーを準備

確認2 / 送信なし / 2分 / 今日の到達点

カレンダーを開いて、本当に入っているか見る

  1. Googleカレンダーを開く
  2. 来週の該当日を見る
  3. 予定をクリックして、中身まで開く
チェックしてください
見るところ合っていなかったら
日付が本当に来週の水曜になっているここが一番ずれます
時間が14:00〜15:00になっているご自分で直す
場所が入っているご自分で直す
準備物が説明欄に書かれているご自分で書き足す
同じ予定が二重に入っていない片方を消す
今日はここまでできれば合格です。「作れた」ではなく「入っていることを自分で確かめられた」——これが今日の到達点です。
間違いが見つかった方は、むしろ収穫です。その1回の確認が、今後の事故を防ぎます。

第1回の持ち帰り

持ち帰るものいつから使えるか
Gmailに保存された返信の下書き3通(確認済み)この会のあと、【要確認】を埋めて送信できます
カレンダーに入った予定1件(確認済み)登録済みです
「メールの型」が効くようになったClaude明日から、頼むたびにずっと
出したら必ず自分の目で見る習慣今日いちばんの持ち帰りです
自由参加(16:45〜17:15):準備が終わっていない方の個別対応を優先します。終わっている方は、議事録の整形長いやり取りを3行に要約/案内メールから予定を起こす/複数人の空き時間を探す、から2つ選んで練習します。
※ プロンプトは「もっとやりたい人へ」に載せてあります。

第2回

調べて・確かめる 10/8(木)16:15〜16:45

今日この時間で使うのは 4回だけ です。

今日のゴール:ご自分のテーマの論文比較表ができていて、「(推定)と書かせる」「出典を必ず出させる」という指定が何を変えたのかを、3つ言葉にできる状態です。

事前準備(1週間前まで):
  • V6の動画(4分)を見て、Exa(エクサ)をつなぐ
    Exa=Webや論文の検索を専門にした外部サービス。アカウント登録も費用も不要で、設定画面にURLを1行貼るだけでつながります。
  • 無料プランでつなげる外部サービスは1つだけです。ほかに何かつないでいる方は、いったん外す必要があります(Gmail・カレンダーはこの1枠に入らないので、そのままで大丈夫です)。
  • 比べてみたい論文のテーマを1つ決めてくる(論文そのものは不要です。当日Exaで探します)
練習1 / 送信1回目 / 7分

自分のテーマで、論文を2〜3本探す

次のテーマについて、参考になる論文を2〜3本探してください。

- テーマ:〔ここに書く〕
- 2020年以降のものを優先する
- 1本ずつ「タイトル/著者・発表年/どんな研究か(2行)/出典URL」を書く
- 出典URLは必ず載せる。URLが分からないものは載せない
- 全体で600字以内

見つからなければ「見つかりませんでした」と書いてください。
推測で論文名や数値を作らないでください。
最後の2行が大事です。AIは、それらしい論文名や数字を作ってしまうこと(ハルシネーション=もっともらしい嘘を書く現象)があります。「作らないで」と先に言っておくと、その頻度を減らせます。
それでもゼロにはなりません。出典URLは必ず開いて確かめてください。
練習2 / 送信2回目 / 8分 / 同じ会話で続けます

6つの観点で比較表を作る

何本もの論文を読み比べるのは大変ですが、1枚の表にまとめると違いが一目で分かります。

さきほどの論文を比較する表を作ってください。

- 行は6つ:対象/介入・要因/比較対照/主な結果/規模・デザイン/限界
- 列は論文ごと。列名は「著者・発表年」
- 表は6行×4列までにする
- 各セルに背景色をつける:
  はっきり良い・信頼できる=緑/条件つき・普通=黄/弱い・要注意=赤
- 色だけで判断できないよう、セルの中に言葉でも書く
- 抄録に書かれていないことを補ったときは、必ず「(推定)」と明示する
- 書かれていない項目は空欄にせず「記載なし」と書く
- 表の下に、各論文の出典URLを載せる
- そのまま保存すれば開ける1ファイルのHTMLにする
6つの観点の意味
観点ひとことで言うと
対象どんな人を調べたか(年齢・疾患・人数)
介入・要因何をしたか(内容・期間・頻度)
比較対照何と比べたか(比べていなければ「対照群なし」)
主な結果どうなったか(数値、差があったかどうか)
規模・デザインどれくらい信頼できる作りか
※無作為化=参加者をくじ引きのようにランダムに分けること。偏りが出にくくなります
限界・注意点鵜呑みにできない点
確認 / 送信なし / 6分 / ここは削りません

「(推定)」と出典の指定が、何を変えたかを見つける/中身を照合する

今日のゴールはここです。調べものは、早く出せることよりどこを確かめればいいかが分かることのほうが大事です。

  1. 配布された見本(「(推定)」と出典の指定を入れずに作った表)を手元に置く
  2. いま出たご自分の表と並べて、変わった点を3つ書き出す
  3. 続けて、「(推定)」と書かれたセルを、出典URLを開いて確かめる
見るところの例
  • AIが補った箇所が見分けられるか(見本のほうでは見分けがつきません)
  • 出典をたどれるか(URLが本当に開けるか。開けないものはありませんか)
  • 書かれていない項目が、空欄か「記載なし」か
URLが開けない・違う論文だった、という方はいますか。これも実際に起こります。だから出典を必ず出させて、必ず開くのです。この確認をしない使い方が、いちばん危険です。
練習3 / 送信3回目 / 4分 / 新しいチャットで

英語の抄録を、日本語で6つの観点に整理する

英語だからという理由で読まずに済ませていた論文が、読めるようになります。

次の英語の抄録を、日本語で6つの観点に整理してください。

- 観点:対象/介入・要因/比較対照/主な結果/規模・デザイン/限界
- 全文の翻訳ではなく、観点ごとに要点だけ書く
- 数値は原文のまま使う。丸めたり言い換えたりしない
- 書かれていない観点は「記載なし」と書く
- 400字以内

【抄録】
〔ここに英語の抄録を貼る〕
練習4 / 送信4回目 / 2分 / 新しいチャットで

制度や通知の「元の資料」を1件探す

まとめ記事ではなく、発行元の資料そのものにたどり着く練習です。

次のことについて、公式の一次情報(発行元が出している元の資料)を
1件探してください。

- 調べたいこと:〔ここに書く〕
- 見つけたら「資料名/発行元/日付/URL」を書く
- 要点を3行でまとめる
- まとめ記事や解説サイトではなく、発行元の資料を優先する
- 見つからなければ「見つかりませんでした」と書く。推測で答えない

第2回の持ち帰り

持ち帰るもの使いどころ
ご自分のテーマの論文比較表(出典つき)抄読会・症例検討の下地に
日本語で整理した英語論文1本そのまま資料に引用できます(原文を確認のうえ)
制度・通知の一次情報1件部署内で共有
出典を確かめる習慣これがないと、調べものにAIは使えません
自由参加(16:45〜17:15):長い通知の要約/「この説に根拠はあるか」の逆引き/比較表からそのまま発表できるスライドを作る/想定質問10問、から2つ選んで練習します。

第3回

自分の雛形を、みんなが使える形にする 12/10(木)16:15〜16:45

今日この時間で使うのは 4回だけ です。

今日のゴール:ご自分のパワーポイントの雛形から「作り方のルール」を文章として取り出し、他の人に配れる形にする。そしてそのルールを、ご自分のClaudeにも覚えさせた状態です。

ここまでの2回は、こちらが用意したプロンプトを貼っていただきました。最終回は、みなさんの雛形からルールを作ります。

持ち物:ご自分がよく使うパワーポイントの雛形を1つ
当日までに、次のように軽くしたコピーを用意してください。
  • 患者さん・利用者さんの情報が残っていないか必ず確認する(過去の資料を雛形にしている場合は特に。氏名・年齢・画像・症例の記述を消す)
  • 画像・写真・ロゴは削除する
  • 2〜3枚に絞る(表紙+中身1〜2枚あれば十分です)
先にお伝えしておきます。Claudeは雛形の「見た目」を再現できません。フォントや配色をそのまま真似ることはできない、ということです。
今日つくるのは「中身の作り方のルール」です。何枚目に何を書くか、1枚あたりの文字量、見出しの付け方、やってはいけないこと。
そして相手には2つセットで渡します——見た目は雛形ファイル(.pptx)、中身の作り方はルール文(テキスト)。この2つがそろって初めて「雛形の共有」になります。
練習1 / 送信1回目 / 8分

雛形を読ませて、「決まりごと」を文章にしてもらう

頭の中にある「うちの資料はこう作る」を、初めて言葉にする作業です。言葉になっていないルールは、人に渡せません。

手順:新しいチャットを開く → 雛形の.pptxファイルを添付する → 下の依頼文を貼る
添付したパワーポイントの雛形を読んで、
「この雛形で資料を作るときの決まりごと」を文章にしてください。

- 見た目の説明ではなく、他の人が読んで同じように作れる指示にする
- 次の順番で書く
  ① 全体の構成(何枚目に何を書くか)
  ② 1枚あたりの文字量・要点の数
  ③ 見出しの付け方
  ④ 色と強調の使い方
  ⑤ やってはいけないこと
- 箇条書きで、全体800字以内
- 雛形から読み取れないことは推測せず「指定なし」と書く
添付を使うのは、今日この1回だけです。ファイルの添付は、そのあとのやり取りで毎回読み直されるため、使う量が大きく増えます。一度ルール文にしてしまえば、次からは添付が要りません。そこが今日の肝です。
出てきたルールを読んで、直したいところを3つメモしてください
  • 自分がいつも守っているのに、書かれていないこと
  • 「指定なし」になっているが、本当は決めているところ
  • 他の人が読んだら誤解しそうな書き方
練習2 / 送信2回目 / 6分 / 同じ会話で続けます

直したい3点だけを足して、ルールを完成させる

全部書き直させないのがコツです。「この3点だけ」と絞ると、何が効いたかがはっきり分かります。

いまのルールを、次の3点だけ直してください。

1. 〔例:1枚あたりの要点は3つまで、と明記する〕
2. 〔例:専門用語には、かっこ書きで言い換えを添える、を追加する〕
3. 〔例:グラフは1枚に1つまで、を追加する〕

全部を書き直さず、この3点だけを反映してください。
そのあと、完成したルール全体を、もう一度まとめて出してください。
1回目と2回目を並べて見てください
  • 指定した3点は、ちゃんと反映されましたか
  • 指定していないところまで、勝手に変わっていませんか
  • この文章を同僚に渡したら、同じ体裁の資料が作れそうですか
この2回目のルール全文が、今日の成果物です。コピーして、メモ帳などに貼って保存しておいてください。このあと2か所で使います。
練習3 / 送信3回目 / 6分 / 新しいチャットで

そのルールで、実際にスライドの中身を作らせてみる

ルールが本当に使えるかを、その場で試します。新しいチャットで、ルール文を貼るだけで動く——これが「テキストにしておく」ことの意味です。添付はもう要りません。

次のルールに従って、スライドの中身を作ってください。

- テーマ:〔ここに書く〕
- 枚数は3枚まで
- 1枚ずつ「スライド番号/見出し/本文(箇条書き)/話す内容のメモ2行」
  の形で書く
- パワーポイントに貼り付けやすいよう、装飾は使わない

最後に、ルールのどこを守ったかを3行で書いてください。

【ルール】
〔さきほど保存したルール全文をここに貼る〕
チェックしてください
  • 枚数・構成が、ご自分の雛形どおりになっていますか
  • 1枚あたりの文字量は、指定どおりですか
  • これをご自分の雛形に貼り付けたら、そのまま使えそうですか
  • 最後の3行を読んで、守れていないルールはありませんか
ここで守られていないルールがあれば、それはルール文の書き方が曖昧だということです。相手に渡す前に気づけたのが収穫です。あとで文言を直してください。
練習4 / 送信4回目 / 4分 / 同じ会話で続けます

そのルールを、自分のClaudeに覚えさせる

ここまでは1回きりの指定でした。メモリに入れると、次から毎回このルールが効きます。

いまのルールを、これからの決まりごととして覚えておいてください。

次から私が「〔資料の種類をここに書く。例:症例報告〕のスライドを
作って」と頼んだときは、毎回このルールに従ってください。

覚えたら、覚えた内容を5行以内でまとめて見せてください。
確認と共有 / 送信なし / 4分 / 今日の到達点

メモリに入ったか見て、相手に渡す2点セットをそろえる

① メモリの反映確認(第1回でやったことと同じです)

  1. 設定機能(Capabilities)メモリ を開く
  2. 今日のルールが一覧に入っているか、目で見る
  3. 8月に入れたM1〜M3も、まだ残っているか確認する

② 相手に渡す2点セット

渡すもの何が伝わるか渡し方
雛形ファイル(.pptx)見た目(フォント・配色・レイアウト)院内の共有フォルダに置く/メールに添付
ルール文(テキスト)中身の作り方(構成・文字量・禁止事項)メール本文やチャットに貼り付けて送る
相手に添える一文(そのままお使いください)

「〇〇の資料を作るときの雛形です。ファイルは体裁用に、下の文章はClaudeにそのまま貼ってお使いください。Claudeに『これを覚えておいて』と一言添えると、次から毎回この形で作ってくれます。」

全3回、おつかれさまでした。
これで、ご自分の作り方を「言葉」にして、人に渡せる形になりました。渡された人は、貼るだけで同じ体裁で作れます。雛形ファイルだけを配っていたときとの違いは、ここです。
みなさんのClaudeは、8月から今日までで4つの決まりごとを覚えた状態です。これは講座が終わっても消えません。3か月に1回くらい、メモリの画面を開いて見直してください。

第3回の持ち帰り

持ち帰るもの使いどころ
雛形のルール文(配れる形のテキスト)同僚・後輩・他部署に渡せます
そのルールを覚えたClaude次から毎回、自動で効きます
ルールどおりに作られたスライドの中身1件ご自分の雛形に貼り付けて使えます
「添付は1回だけ、あとはテキストで持ち運ぶ」考え方他のファイルにも応用できます
自由参加(16:45〜17:15):ご家族向け説明文書/相手別の3段階言い換え/実施計画書の目標文案/想定質問10問、から2つ選んで練習します。Word文書やExcelの雛形でも同じことができるので、2本目のルールを作って帰るのもおすすめです。

もっとやりたい人へ(自由参加で扱うもの・自習用)

本編では扱いませんが、どれも貼るだけで使えます。自由参加の時間か、空いた時間にお試しください。

文章 ①

走り書きのメモを、議事録の形に整える

次の走り書きのメモを、議事録の形に整えてください。

- 「決定事項」「宿題」「保留」の3つに分ける
- 宿題には必ず担当者と期限を書く。
  メモに書かれていなければ【要確認】と書く
- 発言者の氏名は〇〇に置き換える
- メモに書いていないことは補わない
- 800字以内にする

【メモ】
〔ここに走り書きを貼る。個人が特定できる情報は消しておく〕
文章 ②

ご家族向けの説明文書を作る

次の内容を、ご家族向けの説明文書にしてください。

- A4の半分に収まる長さ(600字程度)
- 中学生が読んで分かる言葉にする
- 専門用語を使うときは、かっこ書きで短い言い換えを添える
- 断定できないことは「〜の見込みです」と書き、言い切らない
- 最後に「ご不明な点はご遠慮なくお尋ねください」を入れる

【伝えたい内容】
〔ここに書く。個人が特定できる情報は入れない〕
文章 ③

同じ内容を、相手別に3通りの言い方にする

次の内容を、3通りの言い方で書いてください。

1. ご本人向け(短く・やさしく・3文以内)
2. ご家族向け(背景と見通しを含めて・150字程度)
3. 多職種カンファレンス向け(要点を箇条書き3つ・専門用語可)

1と2では、専門用語にかっこ書きで言い換えを添えてください。
断定できないことは「〜の見込みです」と書いてください。

【伝えたい内容】
〔ここに書く。個人が特定できる情報は入れない〕
文章 ④

長い通知から、自分の部署に関係する変更点だけを抜く

次の通知を読んで、私の部署の運用が変わる点だけを3つ挙げてください。

- 変更点ごとに「何が変わるか/いつから/誰が対応するか」を1行で書く
- 変わらない部分は書かない
- 通知に書かれていないことは推測せず「記載なし」と書く
- 400字以内

【通知の本文】
〔ここに貼る。長い場合は関係しそうな部分だけ400字以内で〕
必ず元の通知と照らし合わせてください。要約は便利ですが、大事な条件が落ちることがあります。
メール・予定 ⑤

長いやり取りを3行にまとめる

〔件名〕のメールのやり取りについて、
決定事項・宿題・期限だけを3行でまとめてください。

- 経緯の説明は不要です
- まだ決まっていないことは「未定」と書く
- 個人名は〇〇にする
メール・予定 ⑥

来週の予定から、準備が必要なものだけを挙げる

来週(月曜から金曜)の私の予定を見て、
事前に用意が必要なものだけを挙げてください。

- 予定の一覧ではなく「準備物」だけを書く
- いつまでに用意するかを添える
- 最大10件、400字以内
調べる ⑦

「この説に根拠はあるか」を両方向から調べる

「〔調べたい説をここに書く〕」という説について、
根拠となる研究と、否定的な研究の両方を探してください。

- それぞれ1〜2本ずつ、出典URLつきで
- どちらか一方しか見つからない場合は、その旨をはっきり書く
- 見つからないものを推測で作らない
- 全体で600字以内
発表 ⑧

比較表から、そのまま発表できるスライドを作る

さきほどの比較表をもとに、発表用のスライドを作ってください。

- ブラウザで開いて、矢印キーでめくれる1ファイルのHTMLにする
- 全部で6枚以内
- 本文の文字は大きく(24ポイント相当以上)
- 1枚の要点は3つまで
- 各スライドの下に、話す内容のメモを2〜3行つける
- 出典は最後のスライドにまとめる
発表 ⑨

想定質問と回答案を作る

この内容で発表したときに出そうな質問を10個挙げて、
それぞれに3行以内の回答案をつけてください。

- 答えにくい質問・批判的な質問も必ず入れる
- 資料に書いていないことを聞かれた場合は
  「そこは確認していません」と答える案にする
- 全体で1200字以内

困ったとき(全3回共通)

症状やってみること
メール・カレンダーが読めない設定でGmail・カレンダーの接続が有効か確認。動画V4をもう一度
覚えさせたことが効いていない設定 → 機能 → メモリがオンか確認。オフだと覚えません
型が反映されていない「覚えさせた型で書き直してください」と一言。直すのは1回まで
下書きが見つからないGmailの「下書き」フォルダを開いてください。受信箱ではありません
返信済みのものが混ざるよくあります。並び順は参考程度と考えて、ご自分の目で確認してください
カレンダーの日付がずれる「〇月〇日で登録し直してください」と日付を数字で書く
Exaで論文が出てこないテーマの言葉を変えてみる。それでも出なければ当日のサンプルを使います
出典URLが開けないその論文は使わないでください。存在しない可能性があります
回数の上限で止まった時間をおくと戻ります。その日は教材の例を見て進めてください
返事が長すぎる「もっと短く」「箇条書き3つで」と一言足す
雛形の添付が大きすぎる画像を消して2〜3枚に絞ったコピーを作り直してください
ルールが「指定なし」だらけ雛形から読み取れなかった部分です。ご自分で書き足してください(そこが暗黙のルールです)
作ったスライドが雛形どおりでないルール文の書き方が曖昧です。その項目を具体的な数字や語句に直してください
個人情報を貼ってしまったその会話を削除し、講師にお知らせください。隠さないことが一番大事です

最後にもう一度、3つの約束

  • ① 患者さん・利用者さんの個人情報は入力しない
  • ② 送信・確定のボタンは必ず自分で押す
  • ③ 出てきたものは必ず自分の目で確かめる
うまくいかなくても大丈夫です。この講座は「全部使いこなす」ことが目的ではありません。ひとつでも自分の仕事が軽くなれば十分です。分からないところは、その場でも後日でも遠慮なくお尋ねください。